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LifeFilm Case 05
65歳|不動産業を営む人|東京・練馬
母が事務所を離れる前に、
一緒に働いてきた姿を。
長く母親とともに、
不動産会社を営んできた男性。
母親の引退が近づく中、
最後の日常を記録しました。
※実際に製作したLifeFilmの一部を抜粋したものです。
母と働いてきた事務所
東京・練馬で、
不動産会社を営んでいます。
大きな窓から光が入り、
壁際には仕事の書類が並ぶ事務所。
来客があると、
長く一緒に働いてきた母親が
いつものように飲み物を運んでいました。
「母が高齢でね。
少しでいいから、映像に入れてやってほしいの」
母親の引退が近づく中、
二人がまだ同じ事務所に立っているうちに、
その姿を残すことになりました。
仕事の中に残っていたもの
若い頃は、
俳優になることを目指していました。
その道を離れたあと、
父親が営んでいた不動産業へ入りました。
来客と言葉を交わし、
相手の話を聞き、
その場に応じて自分の立ち方を変えていく。
「役者にはなれなかったけど、
仕事も演じることなんだと気づいてから、
仕事がもっと楽しくなった」
人と話すことを楽しみながら働く姿に、
若い頃に目指したものが
別の形で残っていました。
映像が届いたあと
完成した映像を見たご本人から、
「この映像をとても気に入っています。
どうもありがとう」
という言葉をいただきました。
そして、冗談まじりに、
「あなたが有名になったら、
若い頃に私を撮ってくれたことを自慢できますね」
と添えてくださいました。
母が事務所を離れる前に
映像を届けて間もなく、
母親は仕事を引退し、
事務所に立つことはなくなりました。
一緒にいることも、
一緒に働くことも、
続いている間は日常に見えます。
けれど、
その時間が終わったあとに、
同じ姿を撮り直すことはできません。
母親が飲み物を運ぶ姿。
同じ事務所で過ごす二人の時間。
家族と働いてきた日常が変わる前に、
そこにあった姿を残しました。
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