LifeFilm Case 04
72歳|書道家|東京・世田谷
母が筆を持つ姿を、
今のうちに残しておきたい。
息子さんからの依頼をきっかけに、
書道教室で過ごす、
ある書道家の、
いつもの一日を記録しました。
※実際に製作したLifeFilmの一部を抜粋したものです。
母の姿を、残しておきたい
撮影のきっかけは、
77歳のラーメン店主の映像を見た
常連客の方からの連絡でした。
「今度は、自分の母を撮ってほしい」
その母親が、
東京・世田谷で書道教室を続ける
この書道家でした。
本人は撮影について、
「何か特別なことをするの?」
と気になさっていました。
撮影のために用意された姿ではなく、
いつ もの教室で、
いつものように過ごす姿を残す。
LifeFilmとは何かをわかりやすくお伝えし、
撮影が始まっていきました。
静かな教室に流れていた時間
住宅街にある自宅の地下に、
書道教室と協会の事務所があります。
教室に響くのは、
空調の音と、筆が紙を走る音。
生徒と穏やかに言葉を交わし、
全国から届いた書に、
朱色の筆で修正を入れていく。
筆を持つと、
背筋を伸ばしたまま、
流れるように手を動かしていました。
「衝突を避けて生きてきたから」
そう語る人の穏やかさが、
筆の動きにも表れているように見えました。
映像が届いたあと
完成した映像を見た息子さんから、
「これ程いい映像になるとは思っていなかった」
「ありがとう」
という言葉をいただきました。
その後、息子さんから、
ビオラ奏者である奥様の撮影も
依頼していただきました。
母親の姿を映像で受け取ったことが、
次に残しておきたい大切な人を
考えるきっかけになりました。
本人のためだけではなく
普段通りに筆を持つ姿。
生徒と話す声。
書に向かうときの表情。
本人にとっては、
いつも繰り返している日常かもしれません。
けれど家族にとっては、
いつまでも見られるとは限らない、
その人らしい姿です。
LifeFilmは、
本人が自分を残したいと考えたときだけでなく、
大切な人の今を残したいと感じたときにも、
その姿を映像にします。